DTMスキルアップメモ - frenchbread

見習いボカロPがそこそこのボカロPになるまで、が描かれていくはずのブログ。

band-in-a-boxは歌モノのバッキング制作に使えるか?

以前の記事で、メロディとコードだけ作ったデモ曲の伴奏を生成するのに「band-in-a-box」というソフトを使いました。(ギンジさんというフォロワーさんに譲っていただきました。)

いわゆる自動作曲ソフトですが、DTMのスキルをある程度習得した人からすると「自分で作った方が思い通りに作れるし、この手のツールに頼っていては勉強にならないのでは?」と思うのではないでしょうか。

僕も前からこのソフトの存在は知りつつ特に必要性は感じていなかったのですが、使ってみるとなかなか面白いものだとわかったので、紹介したいと思います。

 

なお、ボカロPという自分の属性上、この記事はタイトルどおり「歌モノのバッキング制作に使えるか」という観点に偏重していることをご了承ください。

(band-in-a-boxにはそのほかにも様々な用途が考えられます。たとえば公式サイトによれば「ソロ楽器の練習用」というのもよく使われる用途だそうです。) 

 

サンプル用意しました

ではさっそく「歌モノのバッキング制作に使ったらどれくらいのクオリティになるか?」を聴いていただきたいと思います。

以前の記事でもサビの一部のみバージョンを掲載したのですが、今回は「Aメロ1回目⇨Aメロ2回目⇨サビ1回目⇨サビ2回目」の太字の部分を取り出したイメージのデモになっています。

ちなみにBメロがないのには理由があって、後述します。

 

どうでしょう?なかなかいい感じではないでしょうか?

実は多少手を加えてはいるのですが、そのあたりは後述します。

 

band-in-a-boxを作ったデモ制作の手順と制約

手順は大きく以下の3(4)ステップでした。

 

1)スタイルを選ぶ

曲のジャンルや特徴を選びます。基本的にココで曲調、トラックの編成などが決まってきます。

スタイルの数はかなり豊富ですが、あらゆるジャンルを網羅している分、たとえば「J-POPを作ろう」という目的で使おうとすると、選択肢はそれなりに限定されます。

f:id:naoki-horiuchi:20180802215611p:plain

 

2)コードを入力する

コードは拍の単位で指定できますので、コードチェンジは1小節ごとでもいいし、1小節に2〜4回のコードチェンジをすることも可能です。

また、○拍目ジャストからではなくてその8分前にコード切り替えしたい(シンコペーションしたい)という場合もよくあると思いますが、これも対応可能です。

下の図はサンプル曲の入力画面ですが、「^Dm7」などと書かれているコードがシンコペーション部分になります。

 

f:id:naoki-horiuchi:20180802214907j:plain

 

サンプル曲では7thまでのコードしか使っていませんが、テンションコードなどの複雑なコードも指定できます。

といった具合で、コードづけに関してはほぼ制約はないと僕は思います。

 

なお、メロディをMIDIで読み込んだらそこからコードを自動生成(提案)してくれる機能もあります。(今回は使っていません。)

 

3)サブスタイルやキメを定義する

曲のスタイルとコードを指定するだけだと、伴奏がワンパターンになってしまいそうと思いませんか?

確かにこれはband-in-a-boxの弱点ではあるのですが、ある程度はカバーできます。

 

まず、1つのスタイルに対して複数の「サブスタイル」が定義されています。

上に掲載したスクリーンショットにの1小節めには「1a」という青い箱(マーカー)が、8小節めからは「8b」というグリーンのマーカーが置かれていますが、このaやbがサブスタイルです。

今回採用したスタイルの曲だと「bではソフトシェイカー、タンバリン、ルームドラム、ストリングス(高音域)、スチールギター(爪弾き)が加わる」という説明が画面左上のスタイル説明の枠内に書かれていますよね。

これを使えば、Aメロ⇨サビといった伴奏の盛り上がりも表現できるわけですね。

 

なのですが、1スタイルに対して基本的に2パターンしかサブスタイルが設定されていないので、「Aメロ⇨Bメロ⇨サビ」だったり、Aメロの前半と後半で少しずつ盛り上げていったり、といったように3パターン以上の変化を演奏させるのは困難です。

困難と書いたのは、異なるスタイルからサブスタイルを設定することも一応はできるためで、親和性のある複数のスタイルをうまく混ぜれば、それっぽく聴かせることはできるかもしれません。

ただ、そこまでやるならもうband-in-a-boxではなく自分でアレンジするほうがいいのではないかな、と思います。

 

それから一応、キメも表現できます。

サンプルの画面では9b・15bなど、サブスタイルbのままでマーカーを置き直している箇所がありますが、マーカーを置くことでその前にドラムのフィルが入ります。

ただ、こちらは小節単位の指定になってしまうようです。

あとは前述のコードのシンコペーションでも、それにあわせてドラムの強拍を設定したりはしてくれますが、キメを自由自在に配置できるわけではない、ということになります。

 

4)音源の選択(差し替え)やミックスを行う

画面の右上部は以下のようになっています。

band-in-a-boxの演奏は基本的に内臓MIDI音源を使って行われます。

スタイルを選ぶと最適なMIDI楽器が選択されますが、少しイメージを変えたければ自分で変更することもできます。

ミックスに関してはDAWのようにEQやコンプなどのエフェクタを駆使して、ということができるわけではなく、ボリューム・パン・リバーブといった基本的な設定ができるだけです。

 

f:id:naoki-horiuchi:20180802230254p:plain

 

このあたりは、ある程度のサウンドクオリティを求めたい人には少し厳しい感じがしますよね。

あくまで制作中の曲のラフイメージを共有するくらいの用途であれば構わないかもしれませんが、発表用に使うことを考えるなら、ここはband-in-a-boxではMIDI出力までを行い、DAW側でサウンドを仕上げるという方法がベターだと思います。

(band-in-a-boxはMIDIの出力もできるし、MIDI音源での演奏結果をオーディオ出力することもできます。)

 

サンプル曲でも、band-in-a-boxで出力したMIDIをDAWに取り込んで、僕の手持ちの音源に差し替えたり、各種プラグインを用いてミックスを行ったりして仕上げています。

 

結論としてはアリ?ナシ?

やはり、伴奏のパターンがほぼ固定されてしまうという制約は大きいので、フルコーラスの歌モノのバッキングを制作する用途としては少し厳しいというのが正直な感想です。

自動生成するMIDIのクオリティは高いと思うのですけど。

 

一方、以下のような使い方ならアリでは?と思います。(主観です。)

  • アレンジャーが他にいるグループやコラボ制作で、曲を作った人が相手にラフイメージを伝えるために使う
  • 後で自分で修正する前提で、バッキングの土台の部分を流用するために使う
  • 新しいジャンルの曲を作るときに、どんな編成やコード進行がいいかなど参考にするために使う(band-in-a-boxはサンプルの宝庫なので)
  • メロディやコードにしか焦点を当てる必要のないデモ曲の制作に使う

最後の使い方は、僕のようにブログとか、あるいはYoutubeなどに音楽系の解説動画を投稿する場合のイメージ なので、あまり一般的ではないですね。

 

なお、band-in-a-boxのパッケージとしては、下にリンクを貼った「ベーシックパック」のほか「メガパック」「エブリシングパック」と3つのグレードがあります。

詳しくは公式サイトでどうぞ。

 

PG Music Band-in-a-Box 25 for Windows BasicPAK

新品価格
¥12,808から
(2018/8/2 21:32時点)

PG Music ピージーミュージック 自動作曲アプリBand-in-a-Box 25 for Mac BasicPAK バンド・イン・ア・ボックス Mac版

新品価格
¥11,643から
(2018/8/2 21:30時点)