DTMスキルアップメモ - frenchbread

見習いボカロPがそこそこのボカロPになるまで、が描かれていくはずのブログ。

作曲プロセス 〜frenchbreadさんの場合〜

このタイトルを見て「いよいよフランスパンの勘違いも度を越えたか。貴様の作曲プロセスなんぞ記事にしても何の役にも立たぬわ」と思った方がきっとたくさんいらっしゃるでしょう。にもかかわらず記事を見ていただきありがとうございます(?)

ええ。そのくらいのことはいくら僕でもわかります。

 

気にせず話を進めますと、僕はメロディから先に曲を作るのですが、実は歌モノを作る人はだいたいみんな同じだろうと思っていました。

が、twitterなどで他のボカロPさんの発言を見ているとそうでもなくて、「オケから曲を作って、あとでそれにあうようにメロディを乗せる」という方が少なからずいると知ったんですよね。

ほかにも「コード進行を先に決めてしまう」「ギターやピアノの気に入ったリフから曲に広げていく」みたいな作り方もあるんでしょうね。

 

で、特に役には立たなくても、違うやり方をしている人からしたら「へえ、君の場合はそうなんだね」くらいには思うかもしれないと思って書きました。

結局はそれだけの記事です。笑

 

鼻歌でメロディ→ピアノでコード→調性を決める→打ち込み

メロディから先に作ると言うと、ギターやピアノを弾きながら、といったタイプの方もいるだろうと思いますが、僕の場合は鼻歌です。

道を歩いているときか、お風呂の中とか。

以前は「なんとなく降ってくる」感じだったのですが、ニコニコ動画に作品をアップするようになった1年前くらいからは、そう都合よく神様(?)が訪れてくださることはなくなりまして、ひねり出すことが多くなってきた気がします。

 

そういうときに詩が先にできていると便利で、「こんな感じかな」と詩にあうメロディを思いついたりします。インスピレーションを受けるってやつでしょうか。

「詩先で曲を作ることが多い」と言うと、そうでない方からは「自分の思い通りに表現しきれなくなるから嫌だ」とか「制約が厳しいのによく作れますね」といった反応をもらったりします。

それは僕もある程度は同意でして、自分の感性にあまり合わない詩には曲をつけたいと思いませんし、自分から見て曲に不向きと感じる字数や語彙だと、やっぱり作りにくいです。

が、そうでなければ、むしろゼロから自由に作るより詩があるほうがスムーズに進んだりします。

 

メロができたら、「ボーカルが歌いやすいキー」に収まりやすいように調を決めます。

歌いやすいキーは人によって違いますが、女性モノならA3〜D5(Mid2A〜hiD、ヤマハ式ならA2〜D4)くらいですよね。

ミクさんはそれより少し高めの音域が得意なように思うので、ミクさん曲として作る場合は、最高キーがhiEやhiFあたりに来るようにすることも多いです。

他の方のボカロ曲を聴いていると、もっと高くキー設定している曲もままある気がしますが、人が歌いやすいほうがいいかな(別に「歌ってみた」してくれるとかじゃなくて、画面の前でなんとなく歌ってもらえるとかでも)と思うので、一応意識しています。

もっとも、ちゃんとしたボカロPさんの場合は、オリジナルの音域が高くても、人間にも歌ってもらえるようにキーを下げたオケ音源を用意していたりしますよね。

 

調性含めてメロディが確定したら、それに合うコードを探していきます。

コードの付け方は曲調によってもかなり変わってきますが(ジャジーだったらテンション多め、力強いロックなら3和音が中心とか)、鼻歌段階で自分のイメージにあわせたバッキングもうっすら鳴っているので、この時点で曲調は自然に決まっていたりします。

・・などどアーティストぶったことを言いましたが、コードに関してはかなり自分の中でクセがついてしまっていて、「あー、またサビが王道進行になってしまった」などとぼやきながら、結局あまりこだわらずに決めてしまうことがほとんどです。

 

ここまで来たらアレンジに入りまして、DTMの出番になります。

なお、それまではコードだけノートにメモして、メロディは頭の中で記憶しています。たまに忘れるけどね。

アレンジ以降の工程も、サビから打ち込む?頭から?とか、ドラムから?ベースから?それとも全部並行?とか、アレンジとミックスは分離する?同時に進める?・・などなど人によっていろいろ差はあるのでしょうが、今回は「作曲」にスポットを当てたのでここは省略します。

 

たとえばこんな感じです

せっかくなので具体例で説明を試みてみます。

 

まず、前述のとおり鼻歌でメロディを作りました。

こんな感じになりました。

 

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「レファソー」と1拍のアウフタクトから始まる2小節のフレーズを、ちょっとずつ形を変えながら3回繰り返し、3回目のパターンからはそのままシメのフレーズへと遷移して、8小節のまとまりになりました。

ここまででサビの前半、というイメージでしょうか。

 

次にキーについては、鼻歌の段階でもFメジャーだったのですが、音域がMid2C〜hiFでちょうどいいなと思ったので、Fメジャーのままにしました。

♭1コで楽ですしね。

 

それからコード。

今回の曲調は、自分の中ではミディアムスローの「切ない夏の夜」的な設定になっていたので、コードも切なげで透明感のある雰囲気がいいなあ、と思いました。

で、鍵盤をひきながらこんなコードをつけました。

 

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結果としては安直に、そして先ほどの宣言どおり(?)、基本はⅣ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵの王道進行となりましたが、頭の中でこまごまと考えたことを文字に落とすと、以下のような感じでしょうか。

  • 力強い曲でもジャジーな曲でもないので、4和音を基本に
  • 上段の2小節フレーズ×2は「B♭M7→C/B♭→Am(A)7→Dm7」と前半でベースラインをキープしているが、これは3回目のフレーズでB♭M7→B♭mM7という変化球が来ることの予兆的な意味合い(ベースラインB♭→B♭)と、2回目フレーズでルート音とメロディが並達8度(※)になることを防ぐ意図
  • 2回目フレーズにメロディの「泣き」っぽいところが来るので、盛り上げ感を出すために「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵ」の「Ⅲ」のコードを1回目はマイナー・2回目はメジャーにした
  • ラストは無難にⅡ→Ⅴ→Ⅰ

 

(※)並達8度については以下の記事をどうぞ。雑に言うと「コードの変わり目のメロディの音とベースラインの音はできるだけ8度や5度の関係にならないほうが響きがリッチになるよね」というクラシック和声理論の1つです。

www.frenchbread-dtm.com

 

といった感じで、できあがりです!

 

参考音源

・・って、いい加減な見栄えのメロ譜だけ見せられてもどんな曲かイメージしづらいと思いますので、参考音源(デモ)を貼っておきますね。

オケまで作るのは面倒だったので、「band-in-a-box」という作曲支援ソフトを使って簡易オケを作って、その簡易オケの上からミクさんだけ乗せました。

 

なお「band-in-a-box」は知り合いのギンジ(夢幻P)さんというボカロPさんに譲っていただいたもので、これはこれでなかなか面白いので、8月の記事のネタにしようと思います!

 

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