DTMスキルアップメモ - frenchbread

見習いボカロPがそこそこのボカロPになるまで、が描かれていくはずのブログ。

エキサイター(Nomad Factory COSMOS)で帯域分布はどう変わるか

DTMer諸兄のみなさまこんにちは。

エキサイター、使ってますでしょうか?

僕はNomad Factoryの「COSMOS」を愛用していまして、以前にもこんな記事を書いてレビューした気になっていたのですが、書いている内容、サンプルの質ともにまあひどいものでした。笑

Nomad Factoryのエキサイター「COSMOS」を使ってみたよ - DTMスキルアップメモ - frenchbread

 

冷静に考えるとエキサイターでどう音が変化しているのか、自分あんまりわかっていないのですよね。

COSMOSは設定が簡単で使いやすく、下段の3つのつまみを回せば「超低域(帯域指定できる)が大きくなる」「低域以下が大きくなる」「高域以上が大きくなる」くらいはなんとなく把握していたので、プリセットを選んでつまみをふわふわといい加減に回して悦に入っていたのです。

 

公式サイト様の説明(抜粋)>

  • SUB-BASS TUNING:サブベース・ジェネレーターの周波数を設定します。
  • SUB-BASS DRIVE:サブベースのドライブ量を調整します。
  • BOTTOM DRIVE:低域(ローフシェルフ、600Hz以下)のドライブ量を調整します。
  • EXCITER DRIVE:高域(ハイシェルフ、600Hz以上)のドライブ量を調整します。

 

3つのつまみによる帯域分布の変化を可視化

そこで、COSMOSの効果を少し可視化してみることにしました。

 

Match EQという、2つの音源の帯域を測定して、目的の音源をリファレンスの音源の帯域分布に近づけてくれるLogic標準のプラグインがあります。

これを「2つの音源の帯域分布を測定して、差を示す」測定器具として使うことでCOSMOSビフォーアフターを見てみようというやり方です。(エキサイターの効果のうち帯域分布の変化しか見れない上に、ざっくりめにはなりますが。)

 

題材の音源は、ピアノで淡々と「A3」の音を奏でたものとします。

エキサイターをかける前の帯域分布はこんな感じです。 A3は440Hzですので、基本の440のところに最初の山があり、次に第2倍音の880Hzに山、以下第3倍音、第4倍音・・とつづいています。

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これに対して、「SUB-BASS」「BOTTOM」「EXCITER」の3つのつまみを「それぞれ1つだけ100%、あとは0%」にして、バイパス時の音と帯域分布を比較していきます。

 

「SUB-BASS」を100%(50Hz)、「BOTTOM」「EXCITER」を0%

SUB-BASSは指定した帯域を中心に持ち上げる設定です。

そのまんまですが、50Hz中心に持ち上がっており、100Hz以上は相対的に下がっていますね。

100Hz以下の音域は、大きすぎるとモコモコになったり音圧上げの邪魔になったりする音域なので、このつまみを使うのはキックやベースなど(あるいはソロ演奏するパートなど)対象を選んだほうが良さそうですね。

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「BOTTOM」を100%、「SUB-BASS」「EXCITER」を0%

公式サイトでは「600Hz以下」と説明されていますが、今回の実験では440Hz(A3の基音)あたりを境に小さくなっているように見えます。

BOTTOM-DRIVEは基音の周波数を判断して、そこから下を持ち上げている?のでしょうか。

なお、ピアノ単音を題材にしたこの音源ではきれいなローシェルフになっていますが、現実的な演奏音源で測定すると、もう少しでこぼこした形になりました。

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「EXCITER」を100%、「SUB-BASS」「BOTTOM」を0%

公式サイトでは「600Hz以上」と説明されていますが、今回の実験では1500Hzあたりから大きくなっていますね。

音源によっては2000Hzあたりから大きくなったりしたので、対象の音源の帯域分布に応じて持ち上げる場所を変えるようです。

 

ところで、COSMOSはハーモニックエキサイターというタイプのエキサイターですが、ハーモニックエキサイターとは「元の音をある周波数でハイパスフィルタをかけた状態で歪みをかけて、元の音に付加する」というのが動作原理だそうです。意外にシンプルなんですね。

(これに対してフェイズエキサイターというタイプは、位相のずれを利用して倍音を強調する仕組みだそうです。・・何のこっちゃわかりません。笑)

 

汎用的なエキサイターは「ある周波数でハイパスフィルタ」の周波数をFreq.のパラメータで指定しますが、COSMOSのEXCITER-DRIVEはプラグインがよしなに(?)判断してくれるわけです。

マニアな人でなければ、おかしな設定をするリスクもなくなるので、自由度が低いのはむしろありがたいと言えるでしょう。f:id:naoki-horiuchi:20180705225018p:plain

 

総合的につまみを使うとドンシャリ化する

現実的な用法としては(とりあえずプリセット適用するとかでも)3つのつまみを組み合わせることが多いと思います。

2mixの音源に対して、mix用プリセットを1つ適用して比較測定してみました。

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帯域変化は以下のようになりました。

2mix用プリセットなのでゆるやかめの変化ですが、低域・高域が持ち上がり、中域が相対的に下がるので、いわゆるドンシャリ方向に変化していることがわかります。

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(おまけ)プリセットのセッティングいろいろ

ある程度つまみの影響を把握したうえでプリセットのセッティングを見てみると、なるほどなあと思うことが多いですね。

 

たとえば、キックのこのプリセットではSUB-BASS含めてがっつりドライブをかけていて、太さもアタック感も出そうとしているんだな、とか。

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スネアのこのプリセットはSUB-BASSの帯域を256Hzにしたうえで持ち上げているので、胴鳴りを強調させようとしているんだな、とか。

(なので、実際に使うスネアの帯域とマッチするかを確認して、SUB-BASS TUNINGを調整したほうがよさそうですね。)

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「Female Backing」は女声のコーラス用のプリセットと思われ、低音は触らず、高音成分の増強と(この記事では触れていませんが)ステレオ感を広げるだけのセッティングにしているな、とか。

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今回の勉強で理解も深まりましたし、今後も引き続き愛用していこうと思います!