DTMスキルアップメモ - frenchbread

見習いボカロPがそこそこのボカロPになるまで、が描かれていくはずのブログ。

LogicのDrummerの挙動を詳しく知りたい②

こんにちはfrenchbreadです。

Logicのドラムトラック生成機能「drummer」の研究第2弾です。

前回は主に「どのパートがどのMIDIノートを鳴らすか」をまとめました。今回はdrummerの各パラメータがノートの配置(音数やグルーヴ)にどう影響を及ぼすかを見ていきます。

 

前回記事はこちら。

frenchbread.hatenablog.com

 

研究2:音量と複雑/単純

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まず、drummerフレーム左側のXYパッドについてです。

 
法則「複雑/単純は足とスネアのノート数にしかほぼ影響しない」

見た目の印象から騙されやすいのですが、実はハイハットやシンバルには「複雑/単純」のパラメータはほとんど影響しません。

以下はツマミのボールを左(単純)に振り切ったときのMIDIノートです。

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対して以下はボールを右(複雑)に振り切ったとき。

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ピアノロール下方のペダルハイハット・キック・スネアは音数が大きく変化していますが、上方のライドシンバルは全然変化していませんよね。

つまり「複雑/単純」は足+スネア(左手)の音数をコントロールするツマミと言えます。

[2017/12/20追記]なお、フィルについては(右手演奏部分を含めて)複雑/単純の影響を受けるようです。

 

じゃあパーカッションやハイハット・タム・シンバルはどうするのかと言うと、後述のフレーム右側のパート別スライダーでコントロールすることになります。

(「複雑/単純」の影響を受ける場合もありますが、パートやパターンによっては、という程度なので、基本は「足と左手のためのツマミ」と考えるほうがよさそうです。)

 

法則「音量は前後のリージョンにも影響する」

たとえば「あるリージョンを音量:小にセット、次のリージョンを音量:大にセット」とすると、1つめのリージョンの後半で、(フィルを別にして)だんだん音量が大きくなってきます。

リージョンの切れ目が不自然にならない(唐突にカクカクと音量感が変わらない)ようにこういう仕様にしているのでしょう。また「Bメロからサビへだんだん盛り上がっていく」といったシーンのドラマーの心情を考えればそのほうが自然だろう、という意図なのかもしれません。

ユーザーはこの法則にはあまり気を遣う必要はないと思いますが、前回記事で示したように音量によって使われるノートが変化することがあります。なので「ライドシンバルを刻んでいたはずが、同じリージョンの途中からクラッシュシンバルを叩き始める」といったことも起こりえます。

 

研究3:パート別スライダー/フィル/スウィング

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ドラムのグルーヴに最も影響するゾーンです。

 

パート別スライダー

ドラマーによっても挙動が異なり、あまり体系的に整理できないので、箇条書きで気づいたことを列挙します。

  • 大まかには、スライダーを右にもっていくほどリズムが細かくなる傾向。
  • パーカッションは楽器によってスライダーの効果がかなり違う。タンバリンはスライダー左から順に「2拍目と4拍目のみ」「8分連打」「16分連打」と変化。シェイカーはどの位置でも「16分連打」だがアクセントが違う。クラップはどの位置でも8分裏拍系の場所に音が置かれるが、位置によってどの拍を叩くかが変わる。なお、おそらくパーカッションはドラマーごとの差がない。
  • スネアは2拍目・4拍目を叩くことが多いが、スライダーの位置によってはもう少し変則的なリズムをとる。また、どのドラマーも右2つのスライダーは「1/2」「2x」という設定で、「1/2」は3拍目のみ、「×2」は1〜4それぞれの拍で叩かれる。「1/2」はロックなどでよくある「ハーフタイム」の演出に使えそう。

 

フィル

ツマミを回していくと、ゼロ(左に振り切った状態)から右に回していくにつれて、「フィルなし」→「最後の1拍だけフィル」→「最後の2拍でフィル」→「最後の1小節(4拍)でフィル」→「リージョンの途中でもフィル」とフィルを入れる範囲が増えます。

ただ、途中フィルは意図した通りに演奏させるのは難しいので、アクセントとなる場所(≒クラッシュシンバルを派手に鳴らしたい場所)の手前でdrummerリージョンを切って、手前のリージョンのツマミでフィルを調整するほうがうまくいきそうです。この手法はよく紹介されます。

微小なツマミの変化でもフィルのパターンが変わるので、細かく調整すればお気に入りのフィルを見つけられるかもしれません。

 

スウィング

まず8thと16thがありますが、8thでは「1/4小節単位の裏拍(8ビートの裏拍)をどこに持っていくか」、16thでは「1/8小節単位の裏拍(16ビートの裏拍)をどこに置くか」を調整できます。

16thは「1/8小節単位の裏拍」の設定なので、8分刻みのリズムに対して設定しても効果がありません。使うとしたら16分刻みのハイハットやタンバリン・シェイカーや、複雑度が高いキック/スネアがあるリージョン、ということですね。

 

ツマミについては、左端が「50%」なのですが、これはスウィングがない普通の演奏の裏拍は表拍と表拍のちょうど半分だからです。

「タンタ・タンタ・タンタ・タンタ」という3連符系にしたければ「67%」と設定してやればOKです。

 

少しわかりづらいのでサンプルです。

こんな感じのjazzっぽいスウィングリズムのリズムトラックを作りたいとします(drummerに適当なベースを置いただけの簡素なサンプルです)。

 

パーカッションもスネアもキックも要らないので、ライドシンバルだけオンにして、スウィングを8thの70%くらいにしました。

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生成されたMIDIはこちら。

前回記事でも触れたように、ライドシンバルにはセットでペダルハイハットがついてきます。

ゴーストノートっぽい音(青いノート=ベロシティが低い音)も混じっていますが、「ターンタ・ターンタ」と右手で刻みながら、左足で軽くハイハットペダルを踏んでいるイメージになっていると思います。

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右手と左手の関係

ドラム奏者は基本的に右手でハイハット(ライドシンバル等含む)を、左手でスネアを叩きます。スネアを叩く拍ではスネアとハイハットを同時に叩きます。

が、右手だけでハイハットを叩ききれない16分刻みなどのシーンが来ると、左手もハイハット演奏に駆り出しますので、このときはスネアとハイハットを同時に叩けません。

こういう「手は3本ないから人間に不可能な打ち込みをしちゃダメ」の原則はdrummerでもちゃんと再現されます

さらに、「ハイハット」「シンバル」「タム」のグループ(右手のメイン演奏パート)を指定しない場合は右手が余るので、drummerは積極的にスネアに対してフラム(両手でタイミングをちょっとずらして一つのドラムを「パパン!」と叩く奏法)を使ってきたりします。奏者にもよりますが。

このあたり、リアリティに対するこだわりを感じますよね。 

 

具体的に見てみましょう。

以下画像の1小節目はハイハットのみ16分刻み、2小節目はスネアを追加した状態、3小節目はハイハットを外した状態です。

2小節目はスネアを叩く位置ではハイハットが外れていること、3小節目ではスネアの奏法がフラムに変化していることがわかると思います。

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参考:詳細設定 

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簡単に触れておきますが、ここは大した発見はなかったです。

  • フィーリングは「プル」だと全体的にノートを拍より遅く、「プッシュ」だと拍より早く配置する。真ん中(図の状態)だときっちり拍に揃えられるかというとそうでもなくて、微妙にズレを出してグルーヴ感を出してくれる。
  • 「ゴーストノート」は、スネアにゴーストノートが配置される場合(音数が多かったり複雑だったりすると配置される傾向)、そのゴーストノートの音量を決める。ツマミを右に回すとゴーストノートが増える場合も。
  • 「ハイハット」は右に回すと、よりハイハットの音色がオープンに(シャーンという音に)なっていく。MIDI上のクローズ/オープンのノートの配置結果よりこちらが優先される。

 

これくらい把握すると、かなり思い通りにdrummerを操れようになると思います。次回はより実践的にdrummerを使ってみます。

  

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