DTMスキルアップメモ - frenchbread

見習いボカロPがそこそこのボカロPになるまで、が描かれていくはずのブログ。

初心者向けピアノ打ち込み術(③ちょっとしたピアノソロ編)

ミディアムテンポのポップス曲などで「ピアノソロの短いイントロで始める」というパターンはままあると思います。

この記事では、それをそこそこそれっぽく打ち込めるレベルを目標とします。 

 

たとえばこんな感じのやつです。

 (なお、「旅に疲れたその心に」という僕のオリジナル曲のイントロです。) 

 

f:id:naoki-horiuchi:20171126174447p:plain

 

右手でメロディ弾いたら左手どうする?

前々回の記事で「右手でコード、左手でルートを基本形と心得ましょう」と書いたのですが、「じゃあ右手でメロディ弾かないといけないソロの場合はどうすんのよ?」ということになりますよね。

もし「コードを無視するわけにはいかないから左手でコード弾くしかないよね」「一番下の音はルート音だよね」と考えて、左手を単純なコードの白玉にしてしまうと、こんな打ち込みになります。

 

f:id:naoki-horiuchi:20171126181508p:plain

 

しかし演奏させてみると、これはひどいです(笑)

コードを弾く箇所では石の塊を投げつけられたかのようですし、一方で右手も左手も動いていない箇所は間延びしてしまいます。

 

そこで、左手はルート中心のオクターブ弾きにしつつ、適宜5度の音を入れたり、コードの変わり目で動きをつけたりしました。

f:id:naoki-horiuchi:20171126200351p:plain

 

演奏するとこんな感じで、地味ながら先ほどよりはよほどマシでしょう。

 

(参考)

ほかの有力な選択肢の一つは左手をアルペジオにすることです。

音が一つずつ分散して配置されるので、先のコード弾きバージョンのような極端な音のデコボコが生じなくなります。

左手アルペジオの作成については以下の記事(有名なsleepfreaks様の記事です)がわかりやすいと思います。

sleepfreaks-dtm.com

 

右手はコードも弾くしオブリガードも入れる

しかしまだ問題点は残ります。

  1. 左手をルート中心にしたため、コードが完成しない。たとえば1小節目はコードがGM7なので構成音「G・B・D・F#」だが、 頭拍では「G」と「F#」しか音が鳴っておらず、2拍目裏で登場する「D」を入れても、コードがメジャー系かマイナー系かを決定する重要な「B」の音が含まれていない。
  2. 2小節目など、右手も左手も音の動きがないため、相変わらず間延びしている。

 

問題点1に対しては、右手の余っている指でコードの構成音を弾くのが通常のアプローチになります。

最も聴こえやすいのが最高音なので、主に小指でメロディを弾いて、他の指でそれより低い和音を添える形になります。

なお、メロディの入りの部分など情感を込めたい箇所では、親指から小指に向かって少しタイミングをずらして弾くと効果的かと思います。

 

メロディとコード構成音全てを一度に弾こうとすると無理がある箇所もあったり、同じ手法ばかりだと単調になったりもしますので、適宜音を抜いたり(コードの響きにあまり影響しない5度の音など)、タイミングを分散して構成音を網羅したりして、コードの範囲内のトータルでコードの響きを出せればよいでしょう。

 

問題点2に対しては、バッキング編と同じアプローチで、音の隙間を縫うようにオブリガード(主旋律を引き立てるための短いサブフレーズ)を入れていきます。メロディと一人二役になるので、オブリガードのベロシティは弱めにします

サスティンペダルを踏んでいる箇所は鍵盤を離しても音が持続するので、短くコードを弾いた後で大胆に跳躍したりしてもコードの響きは失われません。

 

(参考) Cubaseだと「MIDI>機能>ペダルをノート長へ」という、サスティンペダルの切れ目までMIDIノートを伸ばす(擬似的にMIDIでサスティンペダルを表現する)コマンドを使うと、音が持続している範囲を視認しやすいです。実行してundoすれば元の状態に戻るので、慣れないうちは役に立つのでは。

f:id:naoki-horiuchi:20171126221707p:plain

 

このアプローチで右手も完成させたものが下のピアノロールです。

f:id:naoki-horiuchi:20171126223957j:plain

 

色付き枠で囲っている箇所は以下のとおりです。

  • ブルーはメロディーの下でコードの構成音を弾いているノート。
  • ピンクはオブリガード。なお最後のグリスダウン(アップ)はセクションの終わり・始まりでよく使われる。この奏法は白鍵しか弾けないので、スケールにあわなくても白鍵だけをノート配置するべき。
  • グリーンは右手もオクターブ弾きをしている(囲い箇所がメロディの1オクターブ下)。今回のソロ中で最も力強く弾きたいところなので、メロディラインを強調した。

 

(音源再掲)

 

参考情報

前2回の記事を書いたあと、えきさんが以下の記事をアップされていました。

僕の記事に足りない「ちゃんとピアノを打ち込み・ミックスするなら気をつけておくべきこと」がまとまっているのと、僕と違ってちゃんとしたプロ作曲家の方の記事なので、未読の方はぜひどうぞ!

eki-docomokirai.hatenablog.com