DTMスキルアップメモ - frenchbread

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初心者向けピアノ打ち込み術(②基本の演奏表現とミックス編)

ピアノ打ち込み術シリーズの第2回で、演奏表現の基本と、おまけ程度にミックス・音作りに関して書いていきます。前回記事はこちら。

frenchbread.hatenablog.com

 

ピアノの演奏表現をDAW的に分解して考える

DAWにおける楽器の演奏表現は「音の出だしの位置」「長さ」「ベロシティ」や、音源によってはキースイッチ、その他エクスプレッションなどのオートメーションなどで表しますが、ピアノの場合は以下だけ考えればよい。

 ①ベロシティ

 ②発音のタイミング

(③音の長さ)

なぜ③が()なのか?と言うと、この記事で前回から題材としている「ポップスのバッキングで鳴っている程度のピアノ・エレピ」であれば、ほぼ常時コードの切れ目まで音をサステインさせるため、実質気にしなくても同じだからです。(もちろんリズムのキメの箇所など、サステインを外す箇所は別。)

そこで、以下では①ベロシティと②発音のタイミングについて説明します。

 

サンプル

前回と同じサンプルですが、後の説明の都合から、音の出だしのタイミングを微妙にずらしてあります。

 

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ベロシティの表現でメリハリを

よく使う楽器の中で、鍵盤はドラムと並んでベロシティが演奏表現として重要な楽器です。ピアノ打ち込みの良し悪しはかなりの部分ココにかかっています。

といっても、ポップスのバッキング程度であれば「1小説内で強弱のメリハリが感じられる」を実現できれば十分かと思います。

 

メリハリ=バラつきは、右手の基本パターン「4つ打ちのコード弾き」を考えると、「1和音の中での複数の音の間のバラつき」と「1〜4拍めの間のバラつき」があります。

 

ほどほどのバラつきを与えるには、実際にMIDIキーボードで打ち込むのが手っ取り早いです。鍵盤楽器が満足に弾けなくても、右手で「ドミソ」を1拍ごとに押さえるくらいはできると思うので、とりあえずそれで1小説のパターンの型を作成して手で補正し、あとはそれをコピーするというやり方です。

 

MIDIキーボードで打ち込むにせよ、手入力するにせよ、以下のようなできあがりの形をイメージしておくとよいと思います。

  • 拍ごとの強弱は、一般的な4/4拍子の曲であれば「強・弱・中・弱」にする。極端めに設定するくらいの気持ちのほうが良い
  • 1つの和音内での強弱は、拍ごとの強弱ほど重要ではないですが、「トップノートは少し強め、トップとボトム以外の音は少し弱め」にしておくと自然です(例えば3和音で、上から順にベロシティが70・60・65など)。

 

2点目については、素人が普通に鍵盤を弾くと、小指の押す力が他の指より弱いため、トップノートのベロシティは逆に他より弱くなりがちなので注意してください。実を言うとサンプルがまさにその状態です。

(Logicのノートは、青→緑→黄色・・とベロシティが大きくなっていきます。)

 

ノート開始位置は少しバラけさせるとベター

ノートの開始位置(発音のタイミング)は、ぴったり揃っているよりは少しバラけていたほうがリアルっぽく聞こえます

なので、ここでもやはりMIDI入力したものを土台とすれば生っぽいニュアンスに近づきますが、ズレがひどいと気になってしまいますし、拍頭から飛び出しているMIDIノートは、コピペの際などDAW上で扱いにくいかもしれません。

 

そこでこんな手法が考えられます。

  • まずは拍頭にきっちり揃えて打ち込む or クオンタイズする
  • 重要な部分のみ手打ちでずらす
  • 最後にヒューマナイズする

「重要な部分のみ手打ちでずらす」は主に、バラードなどで和音をあえて同時に鳴らさず、低い音からポロロンとタイミングを(ギターのストロークのように)ずらして弾く奏法を再現します。

今回は「曲の出だし部分の右手のコード1発目」のみをこの方法で手打ちでずらしてみました。

 

それからヒューマナイズ。ノートの位置、ベロシティ、長さなどをランダムにバラけさせる機能ですね。

今回は全部のノートを選択して、ノートの位置を+-10ティック程度ずらしてみました。

 

前回の音の出だしが拍頭にきれいに揃っているバージョンと比べると、ほんの少しですが、音が柔らかくなったり響きが広がる感じがするのではないでしょうか。  

 

(前回バージョンのサンプル:比較用)

 

ミックスについて

ミックスに関してはピアノ単体で語っても仕方ないところがありますが、2つだけ。

 

まずパンニングについて。

ピアノの音源は左右でパンニングが極端に振り分けられているものがあります。

ソロならそれが最適かもしれませんが、ポップスなどの中で使う場合、他の楽器との関係を考えると、実際にはかなり不自然な状態といえます。

なので、音源の設定またはステレオイメージャーなどのエフェクタでパンニングを狭めるほうが良いです

 

(参考記事)

www.frenchbread-dtm.com

 

次にEQについて。

ポップス曲の場合、上モノ系はローカット必須とよくいわれますが、不要な低域が入らないよう音源側で配慮されていることもあるし、鵜呑みにしてはいけないと思います。

また、ローカット以外のEQを操作するなら、ピアノの周波数域ごとの音の特徴を把握しておくと良いでしょう。

  • -250Hzあたりの低域 → 迫力や厚みが出る部分だが、ベースなど他の低域系とのかぶりなどを注意しないと「もさっ」とした音になる
  • -1Khzあたりの中域 → 音のコアとなる音域だが、他パートとかぶりやすい
  • -4Khzあたりの中高域 → アタック感・明るさが出る音域
  • それ以上の高域 → きらびやかさ・透明感が出る音域

ヤマハ式(A3=440Hz)でいえば1KHz≒C5、4KHz≒C7なので、-C4くらいが中心となるバッキングのピアノであれば、「中高域・高域」は主に倍音で構成される音域ということになりますね。

下図はA3を単音で出したときの波形ですが、基音が440Hzでも、4KHz以上の倍音まで出ていることがわかります。

 

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次の記事はこちらです。

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