DTMスキルアップメモ - frenchbread

見習いボカロPがそこそこのボカロPになるまで、が描かれていくはずのブログ。

初心者向けピアノ打ち込み術(①基本のバッキングアレンジ編)

非鍵盤系な初心者DTMerが簡単な鍵盤のバッキングパートを打ち込むために必要な知識をまとめた記事です。

 

この記事が役に立ちそうな人と目標レベル 

この記事は以下くらいのレベルの方をターゲットにしています。

  • ピアノ?コードを白玉で並べておけばいいんじゃない?と思っている
  • ピアノの音域は通常どのあたりを使うのかわかっていないが、適当に試して打ち込んでいる
  • ベロシティは基本はベタ打ち派!だってめんどくさいし

そして目標レベルは「ピアノが目立つ曲でなければ、オケに混じって聴く分には違和感がない程度のバッキング打ち込みができる」です。

 

なおアコースティックピアノを題材としていますが、今回触れる範囲では全てエレピと読み替えても問題ないはずです。

   

サンプル

4小説の簡単なサンプルを用意しました。

曲の冒頭、歌と静かなピアノ伴奏のみではじまるシーンのイメージです。

(本当は「ポップスのバッキング」なので、他のパートも入っている方がリアルなのですが。)

 

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「右手はコード弾き、左手はルート」が基本

鍵盤は通常、右手と左手を両方使って音を鳴らします。

ってそりゃ当たり前だろ・・って思われるかもしれませんが、あまりにも演奏を想像しないで打ち込むと、先ほどの「この記事が役立ちそうな人」で挙げたように「(片手分の)コードだけ白玉で置いておけばいい」という発想になるかもしれないので念のためです。

 

右手と左手の役割は様々ですが、ポップスのバッキングの王道である「右手はコード弾き、左手はルート」を考えます。

 

まず、右手は4分音符(テンポや曲調によって8分などのときも)のいわゆる4つ打ちを基本としてよいでしょう。ただしそれだけだと単調すぎるので変化を加えていきます。

たとえばサンプルの1小節目と4小節目の4拍目のような感じです。このようにメロディが途絶えたところにオブリガート(短いサブメロディ的フレーズ)を入れると効果的ですね。

ここで、もし鍵盤系の知識が全くない方なら「コード担当パートなのにコード以外弾いちゃったらコード感失われないの?」と思うかもしれませんが、これは後述のサスティンペダルが解決してくれます。

 

左手は、コードの始まりではルートを弾くようにして、適宜5度の音や経過音を入れます。

つまりベースの音の置き方と基本は同じですが(※1)、右手のフレーズとの関係を意識して、サンプルでは右手部分が淡々と4つ打ちしている2小節目と3小節目に動きを入れました。

 

(※1) そもそもピアノは単体演奏できる楽器で、そしてあらゆる演奏においてベース的要素は必須なので、ピアノ自身でベースの役割も担うように演奏することが多いです。ただバンド編成になると同じ役割を2者が担うので、後述しますがベースとの音域かぶりを考慮する必要も出てきます。

 

右手の音域、弾くコードの構成音

右手のコード弾き部分は、一口にコードと言っても「どういう音域でどのコードの構成音を弾くか」を決めていく必要があります。

音域についてよく言われるのは「C3(※2)をまたぐようにコードの構成音を配置する」で、迷ったらとりあえずコレでいいと思います。

なおサンプルはそれより少し高めの音域にしていますが、これは冒頭C add9の9th (D4) をトップノートとして聴かせたかったのと(1オクターブ下げると全体が低すぎる)、以降も音域を大胆に変えてしまうと違和感が生じるので、自然に聴こえる範囲で少し下げるにとどめています。

 

(※2) ヤマハ式表記(A3=440Khz)の場合。国際式表記だと1オクターブ上になります。この記事では全てヤマハ式表記にしています。Cubase、Studio One、Logicはヤマハ式ですが、Sonarだと国際式表記だったり、FL Studioに至ってはさらに1オクターブ上だとか。

 

それからコードの構成音。

基本知識として、右手も左手も指の届く範囲から言って、一度に鳴らす音は1オクターブの範囲内に収めるのが無難です。(欧米人男性なんかは1オクターブ+全音くらいなら普通に届くようですが。)

一方、あまり近い高さの音を同時にならすと音は濁ります。ギターなら弦自体が4度ほど離れているので自然に回避できますが、ピアノは近い音のほうが鳴らしやすく、だからと言ってC add9(ドミソレ)を右手で「C3とD3とE3とG3」と同時に弾くと音が密集しすぎて濁ってしまいます(※3)。

 

(※3) 低音になるほど同じ音程の和音でも音が濁りやすくなります。理由としては、A1=110KHz / A2=220KHz / A3=440KHzというふうに、オクターブ差=周波数が倍々になっていく関係なので、A1とA#1の間隔はA2とA#2の間隔に比べて狭いためです。なので、C2未満の音域では3度の和音を同時に鳴らすだけでも濁りやすく、C4以上くらいになると全音でもそれほど濁りません。

 

よって「1オクターブ内に収めつつ、音域的に密集しすぎる場合は適度に音を抜く」と良いです。

ただしコードが3和音の場合は、音を抜かなくても構成音は3つだけなので、薄い空気感を出したい意図などでなければ、省略しなくてもいいでしょう。 

 

抜く音の候補としては、第1候補は左手も弾くルート音です。そもそもピアノに限らず、7th以上のコードにおいて、ルート音はあまり高い音域で使わないほうが無難です(7thの音とぶつかりやすいため。もちろんメロディやトップノートとして使う場合もあります)。

次に抜く候補は5度です。左手側でカバーする場合があるという理由が1つと、5度の音は省略してもコードの響きを損なわないことが多いためです。

(メジャーコード、マイナーコードでは3度の音がコードの特徴を出すために重要ですが、5度の音は”共通の常識”的な音であるため重要度が低いです。逆にaugやマイナー♭5であれば、増5度や減5度の音がコードを特徴づける音なので抜かないべきです。)

これでだいたい、通常のポップスで登場する9thくらいまでのコードに対応できます。

 

左手の音域、音の置き方

左手の音域は、目安としてこんなところでしょうか。

  • ピアノをぐっと聴かせる曲であればE0以上
  • ポップスのバッキング程度であればC1以上

E0は76鍵ピアノの最低音かつ一般的なベースの最低音、C1は61鍵キーボードの最低音です。

 

(参考)フルスペックのピアノは88鍵ですが、クラシックでもなければフルレンジは使いません。76鍵が実用的に十分なスペックとされるクラスで、ほどほどな電子ピアノや大型シンセに多いです。61鍵は「本格的な演奏は無理だが、バンド中のライトのキーボードパートくらいならOK」という感じです。

 

上限は特にありませんが、右手がC3前後に音を集めるのが基本と考えると、おおむねG2以下あたりに収めることになるでしょう。

 

音の置き方は前述のとおり「基本はルート」ですが、厚みを増すために「ルートのオクターブ重ね」にすることも多いです。

ただしポップスのバッキングでは、低音の要であるベースが同じ役割を果たすため、ルートのオクターブ重ねをすると低音がこもりがちです。オクターブ重ねをするなら、ベロシティを下げたりローカットをしたりする工夫が必要かもしれません。

  

サスティンペダルで響きのリッチさを

サスティンペダルは、踏んでいる間、鳴らした音を伸ばし続ける(鍵盤を抑えたままの状態を再現する) 機能をもちます。

ピアノの音は鍵盤を放すとすぐに途切れてしまうので、手だけでコードを抑えようとすると、指を離す間隔をよほど短くしない限り、スタッカート的な演奏になりがちです。

曲調や使用場面(キメを入れるところなど)によってはスタッカートも必要ですが、メロディの裏でバッキングを担当しているだけのシーンでは、ペダルを踏んで響きを残すのが基本です。

具体的にはサンプルのように、コードの切れ目でペダルをオフにして、すぐに(次のコードの最初の音が鳴っている間に)オンにする、という動きを繰り返します。

たとえば1小節目のC add9の箇所は、3拍目までトップノート「レ」を弾いていますが、4拍目では違うフレーズを弾くので「レ」の音は発音されません。しかし3拍目で弾いたときの音が残っているので、4拍目の間もコード感は失われないということです。 

 

【この記事の続編はこちらです】

frenchbread.hatenablog.com

 

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