こんにちは、frenchbreadです。
スポーツ、車、ギターといったカッコいい男を象徴するようなものはことごとく避けてきた人生でしたが、きょうはギターについてお話しします。あ、生のギターじゃなくてソフト音源のほうですね。
先に結論
この記事を見てくださっている方は「Junk Guitar」を導入しようかどうか迷っている方、もしくはギター音源で何かよいものはないかを探されている方だと思いますので、先に結論を述べます。
- Kontaktを持っている(またはLogicユーザー)
- ギターの知識がないので本格的な音源を使いこなせるか不安
- 予算20,000円程度に収めたい
これらの条件を満たす人ならJunk Guitarは買いだと思います。
ギターの知識がない僕がJunk Guitarを選んだ理由
Kontaktは動作条件になるので説明不要として、「ギターの知識がない」人にオススメと言っている理由ですが、これは「この条件に該当する僕自身が自分なりに検討した結果Junk Guitarを買うことに決めて、その結果満足したから」です。
ではその、僕の検討プロセスを説明していきます。
まず、有料・無料問わずいくつかリサーチしたところ、こんな感じになりました。「ひとこと」や「気になる点」は素人の主観なので、あまり真に受けないでください。
製品名 | ひとこと&強み | 値段(だいたい) | Kontakt | 気になる点 |
ELECTRI6ITY |
ド定番。8種類のモデル。アンプシミュも内臓 | 40,000円 | 必要 | とても重いらしい |
V-METAL | メタル特化→エフェクト豊富でトリッキーな演奏も得意 | 20,000円 | 必要 | メタル特化(と言いながらメタル以外でも使えるという声多数) |
RealLPC | レスポール・カスタム特化→ロック向き | 25,000円 | 不要 | こちらはかなりロック特化の模様 |
Junk Guitar | ギター初心者にも扱いが簡単な割に、奏法などもそこそこ | 15,000円 | 必要(LogicユーザならEXS24用あり) | |
VS BURST LP FREE | フリーとは思えない奏法の多様さと質の良さ | フリー(Kontaktが有料だが) | 必要 | ギターが弾けない人にはうまく扱えない |
LP SG Custom | 音の質はそこそこで、UIがかなりシンプル | フリー | 不要 | 奏法がかなり限られる上、うまくスイッチが機能しないことが(?) |
(補足1)Junk Guitarは以前無料配布していた期間があったが、すでに終了しており現在は有料版のみ→2018年4月末に配布再開されました。詳しくはこちらの記事にて。
(補足2)Kontaktについては記事の末尾に補足の章があります
当初はフリー音源を探していまして、kontaktはあるのでVS BURST FREEを使ってみたのですが、「気になる点」のとおり、ギターが弾けない身にはちょっと難しかったのが正直なところでした。
たとえば、どの弦で弾くかなどを意識しないといけないのはけっこう辛かったり。
VS BURST FREEのセッティング画面。これを見て「だいたいわかるな」と思えない方は、僕と同様、使いこなすのは難しいでしょう。
LP SG Customも使ってみましたが、音が思うように止まらなかったりして、なんとなく性能に不安を感じたので止めました。といっても、これは僕がうまく使えてないだけかもしれません。
じゃあ無料は諦めて有料製品を導入するか、と方針転換したのですが、「VS BURST FREEみたいに使いこなせなかったら意味ない」「V-METALのような特化型もいずれ欲しくなると思うが、とりあえず最初の1歩としては、そこそこ汎用的かつ高価過ぎないものがいい」などと考えた結果、Junk Guitarに落ち着いたわけです。
(2018.9.30追記)どうしても無料で済ませたいという方は以下の記事をどうぞ。
Junk Guitarご紹介
Junk Guitarの肝心の中身がどうなのかと言いますと、これはシンプルに本家サイト様を見ていただくのが良いと思います。
V1とありますが、実際には「V1」と「V1.5」が同梱されています。V1は無料配布バージョン(0.9)と互換性を保つためのバージョンと思われます。
デモもあるし日本語マニュアルも置いてあるので、買うかどうかを決める前の検討材料には十分でしょう。
実際に使い始めた所感としては、Junk Guitarを導入して初めて、レガートとミュートを交互に弾くパワーコードとか、ソロ部分にときおりチョーキングやハーモニクスを混ぜてみたりとか、ギターらしい打ち込みを勉強しながら試みるようになりました。
初心者でもやってみようという気になれる使いやすさと、音も十分にリアルなので、試してうまく行くと良い気分になってテンションが上がる、というのがやはり大きいと思います。
さらに、サンプルのMIDIデータがついているので、これを見ればどうやって打ち込めばそれっぽい演奏表現ができるのかの参考にできます。初心者にはこれも大きいです。
アンプシミュレーターは別途用意が必要
Junk Guitarの話はここまでですが、もしかしたらこの記事を見ているあなたは僕と同じくエレキギターを演奏したことも、まとまもなバンド経験もないド素人かもしれませんので、アンプシミュレーターについて触れておきます。
やたら長くなってしまいましたが、「ギター音源とは別にアンプシミュレーターが必要」ということをわかっている方は読む必要はありませんので・・
まず、エレキギターは単体だとエレキギターの楽器の音は鳴りません。アンプとキャビネットを通してエレキギターの音が完成します。
「とりあえずギターの打ち込みをする」→「あまりのショボさに愕然とする」→「じゃあギター音源探すか」→「”これはDI音源(※)なのでWaves GTRなどのアンプが別途必要です”って?どういうこと?」という混乱に陥った方は、僕以外にも全世界に3人くらいはいるんじゃないでしょうか。
(※) DI音源とはギターをアンプを通さずにダイレクトに(クリーントーンで)録音された音源ということで、そうではない(アンプを通した状態でサンプリングされた)音源もありますが、実際にはDI音源が大半です。
「アンプ」はギターの音の増幅器ですが、増幅するだけでなく音質を変化させます。
「キャビネット」は要するにスピーカーです。アンプと一体化しているものもあります。
アンプとキャビネットのセットをデジタルで再現するものを「アンプシミュレーター(アンプシミュ)」と言い、DAWで使うのはこのアンプシミュレーターです。
つまりこういうことですね。
そして、最終的な出音の影響の割合は、ギター:アンプ:キャビネットが10:40:50などと言われるそうです。
エフェクターはDTMerにはおなじみ、コンプレッサー・EQ・ディレイ・リバーブのような汎用的なものもあれば、ディストーションなど(ギター以外でもあるけど)ギターならではのものもあります。これもアンプシミュレーターとセットになっていることが多いです。
ギターの音をリアルにするために高価ギター音源を導入すればいいのかと思いきや、大半の出音はアンプが決めるというのだから、高品質なギター音源ってそんな重要じゃないのか?と受け取ってしまいそうですが、そういうわけでもありません。
たとえば、
・高品質なギター音源はギター特有の奏法をキースイッチやCCでリアルに&簡単に再現できる
・高品質なギター音源は、コード弾きなど複数音のセットを単音と別にサンプリングするなどして音質を上げている。(単音を録音したものを重ねるのと、あらかじめ複数音を鳴らして録音するのとでは質感が違う。)
といった具合で、ギター音源もアンプシミュレーターもどっちも重要なわけですね。
ただ、幸いアンプシミュレーターは無料でも優秀なものが多いので、お金をかける優先順位としてはギター音源のほうが上と言えるでしょう。
以下はアンプシミュレーターにスポットをあてた記事です。あわせてどうぞ。
補足:Kontaktについて
Kontaktは音源を載せるサンプラーで、今のDAWユーザーには非常に幅広く使われているが、購入に50,000円くらいかかる(セールを利用すればもっと安く買える)。
高価だが、上の表でも見たようにKontakt上で動作する音源は多いので、持っていると何かと役に立つのは事実だ。
あと、LogicユーザーであればEXS24バージョンがあるため救われる。ただし最新のV1.5はサポートしていないようだ。(その分安価でもある。)